虫がでるころ
虫好きなあの子と一緒のお出かけに
誘われてお気に入りストールが
羽衣みたいだねと
羽衣がいるような場所は私が昔よく遊んだ場所
大きな木に両手を伸ばして
ぎゅってつまかる
風邪で緑がさらさらと流れてる
太い幹に頭をそっとおいて
耳を傾けて目を閉じる
何となく声が聞こえてきそう
夜のお出かけは昔の話
色々話した
急に不機嫌になる彼女をはじめてみて
どうしよう、またふさぎ込まれたら困ると
頭の中はフル回転
そんな時、猫が道路を横切る
急ブレーキ
彼女が今度はおどろいて
着いた場所は鬱蒼とこい緑の山の中
そらも濃い青で
蛍なんかいるのかと
虫好きが指差すその先は
出遅れ蛍がフワフワと
思わず光を追いかける
ふっと消える光にまわりをみると
なかなかいない
遠くに視線を向ければこい緑の中はどうなってるのと
虫好きが答える
夜の山の中でばけものを
みたかも知れない
と。
バケモノは他にもいると思う
祖母が言うのは
バケモノより怖いのは人だよと
死んだ人じゃなくて生きてる人
そんなのをおもいだした
満月がピーク
そこからは次の月へとじゅんびがはじまる